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庭やアプローチに敷く石には、砂利サイズのような目の細かいものから、ロックガーデンなどに使用できる拳サイズ以上のものまで、さまざまな大きさが存在します。
なかでも「玉石」と呼ばれるものは20~40mm程度のものが多く、大人の手のひらに5~10個程度収まる大きさであることがほとんどです。
今回は、玉石の大きさ選びについて解説します。
選ぶ玉石の大きさによって雰囲気や印象も変わります。
それぞれの特徴についても触れていますので、玉石の大きさで悩んでいる人は一度目を通してみてください。
まずは、サイズ別に見る玉石の特徴を解説します。
サイズは見た目にも大きく影響するポイントではありますが、それぞれの特徴や利点を知ったうえで活かせばより理想のイメージに近づけられるでしょう。
10mm以下のものは、大半が「砂利」と呼ばれます。
玉石よりもかなり小さなサイズであり、石と砂が混ざったような印象を持つ方も多いでしょう。
爪の先程度のものから指先くらいの大きさまでランダムに入っているものであれば、庭やアプローチに変化をつけやすくなるのがメリットです。
20mm以下のものには、砂利だけでなく「砕石」が含まれるケースがあります。
砕いた石のような形で角に凹凸がある砂利で、シンプルかつ使い勝手が良いのが特徴です。
比較的無機質な印象を与えやすく、シックかつモダンな空間を演出したいときに便利です。
30mm以下のものから、玉石と呼ばれるものが多く出てきます。
全体的に卵型で丸みを帯びているものが多く、なかには扁平型のような平らっぽいものもあります。
乾いた状態ではグレーのような色合いを帯び、濡れた状態では石本来の光沢を出してコントラストをはっきりさせるようになるのも特徴です。
晴れの日と雨の日で一気に違った印象を与えてくれるサイズ感でもあるため、違いを楽しみたい人はこれくらいのサイズにするのがおすすめです。
40mm以下のものにも、丸みを帯びた玉石が複数含まれます。
石が大きいため保水性に優れており、ヒートアイランド現象のような気温の上昇を防ぎやすいとも言われています。
落ち着いた高級感や目を惹く庭・アプローチにしたい場合は、積極的に活用してみましょう。
これ以上のサイズになると、砕石駐車場やロックガーデンに使用される大きめのサイズに変化していきます。
ここでは、目的別に見る玉石の選び方を解説します。
どんなシーンにどんな玉石が最適か知ることで理想に近い玉石選びができます。
玉石は凸凹しているため、場合によっては人が踏みしめることで音が鳴ることもあります。
特に10mm以下の細かな玉石であれば砂利のような役割を果たすため、キシキシという音が鳴ることが多いでしょう。
昔、海外などで玉石敷きの道が多く採用されていた理由は、後ろから近づく人や馬車の音をあえて聞かせて事故を防ぐ目的であったと言われており、これが現代でも防犯に役立てられています。
砂利ではなく玉石で防犯対策したいのであれば、10mm以下ものを選定してみるのがおすすめです。
玉石の多くは「洗い出し」と呼ばれる工法で使用されます。
洗い出しとは玉石を入れたモルタル・セメント・コンクリートなどを塗り、完全に硬化する前の段階で表面だけ洗い流して石の表面だけを露出させる手法であり、砂利敷きのように石・砂が移動しないことが特徴です。
昔の家屋や旅館の玄関先・土間で見たことのある方は多いのではないでしょうか。
20mm以下の玉石を使った洗い出しは汚れや傷を目立たなくする効果があり、多少泥や砂があっても悪目立ちしません。
人の出入りが多く汚れやすいと想定されるご家庭で導入すれば、メンテナンスや手入れの手間を格段に減らしてくれるでしょう。
大量の玉石を敷き込んであえて凸凹感を演出し、自然の風合いを演出したいときは30mm以下の玉石がおすすめです。
砂利ではなく石を敷いていると分かりやすく、丸みのある玉石でも砕石に近い尖りのある石でも見栄えよくできるでしょう。
玄関アプローチにはタイルや石畳を使い、その間を玉石で敷き込みにする家庭も多くあります。
前述した洗い出しの手植え工法に活用することもでき、より石の素材感を前面に出したいときにおすすめです。
玄関横だけ、アプローチのサイド部分だけ、植え込みの近くだけなど、アクセントとして玉石を使いたい場合は40mm以下のものが最適です。
比較的丸みを帯びた玉石が多いため穏やかかつ柔らかい雰囲気を演出しやすく、目を引きやすくなるでしょう。
保水性に優れているため、庭に設置する蛇口や池の周りに設置してもよいでしょう。
大量に敷き詰めることも可能ですが、石が大きいため歩きづらく車輪も通りづらいことは認識しておく必要があります。
人が多く行き交う場所よりもその周辺に活用した方がいい玉石でしょう。
40mm以上の石になると、砕石駐車場などで使用される大きめのサイズに変化します。
石というより岩に近い雰囲気になり、玉石のように角が取れたものではなく尖りのある粗削りな石になることが多いでしょう。
その分、岩っぽさを出したいロックガーデンには向いています。
あえてワイルドにしたいとき、大きな岩と岩の間に敷き詰めたいとき、サボテンや高山系植物をたくさん植えたいときには最適です。
軽石や用岩石など吸水性のある素材にすれば水はけもよくなり、一石二鳥の効果が期待できるでしょう。
丸みとツヤが目を惹く玉石を検討している場合は、20~40mm程度の玉石を優先的に探すとよいでしょう。
見る人に石の存在感を与えながら、天気による違った印象も演出しやすくなります。
造園資材館でもさまざまなサイズの玉石を取り揃えておりますので、お気軽にお問い合わせください。